まえがき
I 義母の「老い」と「死」
1章 ひとり住まい
義母の願い
万聖節の墓地
孤独な生活は認知症になりやすい
2章 引越し
高齢者住宅を見学
八十四歳の引越し
あれもこれももっていきたい
3章 新しい住まい
ノーベル夫人
疑心暗鬼の義母
サービスハウス住人の超高齢化
引越しはこりごり
長い順番待ち
4章 だれに投票したらいいの?
嫁は外野席で
今の福祉に満足しているの?
5章 カメリヤ夫人の変身
誕生パーティーでの活躍
今日のよき日を祝して
悪口雑言の日々
6章 この頃の病院ときたら……
義母を見舞う
“治療済み”にしたがる病院
指揮者に欠ける
7章 「だれも聞いてくれない」――高齢者オンブズマンの報告
高齢者が共有する問題
高齢者オンブズマンは助っ人
高齢者福祉のインスペクターたち
8章 義母の末期
お墓はどこ?
これ以上の治療はできない
移民の街テンスタへ
9章 お葬式,そして……
お葬式は帰国後に
義妹の活躍
土にかえる
こんなお葬式がしてほしかった
女たちが共有した痛み
U 認知症について
10章 世界をリードするアルツハイマー病研究
認知症研究はまだまだ表面をこすったようなもの
発病を引き伸ばせれば医療介護コストは半減
チームワークの仕事
11章 アルツハイマー病は遺伝?
遺伝と環境
健康的な生活は発病を遅らせる
12章 気功とダンスセラピー
認知症に気功
“スペイン森のナメクジ”とビール
コミュニケーションとしてのダンス
運動が認知症を少なくする?
13章 絵とダンスと恋人と――認知症画家ルーネさんの生き方
故郷に戻る
数字を避けてください
絵とダンスと恋人と
14章 ちょっと変ったスウェーデンの音楽療法
介護に音楽を
脳機能回復音楽療法
15章 パパが? ママが? 若年認知症?
ネットワーク「若い家族」
若い家族の声
若年認知症患者のための最初のデイ活動
「ロダ・ヒューセット」を訪ねて
16章 認知症の人たちのための看護介護住宅
すべてを事前に計画
患者のすべてを奪うことはできない
グループ住宅を閉じた
V 「福祉」と向き合う
17章 神様の贈り物
人間相手の仕事なのに
中高年からの出発
若者が逃げる介護職
大学生が中学生を福祉に勧誘!
介護の仕事は移民なしでは成り立たない
昔と違うヘルパーの労働条件
“毎日が同じということがない”
18章 利用者と介護者のための福祉機器展
美味しいたんぽぽ
楽しい展示会での散歩
洗練された福祉機器展
19章 セラピーとリハビリの庭園
死はありふれた友だちであるべきだわ
庭が五感を刺激する
視覚障害者も杖なしで歩く
自然の治癒力
国内最大の「五感と記憶の公園」がオープン
20章 八十二歳の挑戦
あちこちの高齢者住宅を見て回る
男やもめの豪華な晩餐
21章 多文化社会の高齢者福祉
スウェーデンの文化を共有するオーランド
歌を歌って元気に
異国で老いる
日本人が立ちあげたシルバー会
言語でグループ分け
22章 高齢者介護における性について――セラピストの話
扱いにくい性の問題
愛と知識とユーモアをもって
職員教育の必要性
相手を尊重することが大切
23章 人と人がかかわってこそ,福祉がある
日本から研修者を迎える
「今日もよい日」をお手伝い
24章 人生末期のケア
義父の末期
ある看護師の「人生末期のケア」
静かな音楽が流れる中で手を握って
緩和ケアのパイオニア
W 人はどう生き,いかに老いるのか
25章 定年後どう生きる?
“心のふるさと”ダーラナ
定年後選んだ道
これまで夢見たことを実現
高齢者のための国民高等学校
生活を楽しむ
外国人ジャーナリストたちはこう見る
年金生活者になるにあたっての心得
26章 幸せでいたいなら庭をもとう
不死鳥マリアンヌ逝く
市内のオアシス
菜園をもつことの幸せ
遺書を残す
27章 フィンランドの画家とスウェーデン在住の日本人建築家
日本旅行の思い出
毅然と生きる北欧の友
仕事と趣味が一致
28章 タイに進出したシニア住宅
昔の江ノ島のような海岸
そこはもう熱帯のスウェーデン
現地の人の医療はどうなるの?
29章 ホモセクシュアルの人たちの老後
パートナーシップの最初のカップル
ゲイの高齢者住宅をめざして
同性愛者の介護支援、英国のユニークな活動
性は人生の一部
終章 これからどうするのか? そして将来は?
(1)予 想
(2)介護は?
(3)住宅は?
(4)在宅で元気に生きるために
(5)EUと,日本と
(6)おわりに
あとがきにかえて
索 引