スヌーズレン〜その不思議な響き〜 本文へジャンプ
ここでは重度知的障害のある人たちへの感覚統合訓練「スヌーズレン」をご紹介します。


 さあ、今回は楽しい世界へ行ってみましょう!!
 私がスウェーデンに行くたびに楽しみにしているのが、スヌーズレンです。「スヌーズレン」はオランダ語で「クンクン匂いを嗅ぐ」「うとうとする」という用語を合わせて作った言葉で、1970年代半ばのオランダの重度知的障害者の施設で視覚・聴覚・触覚等の感覚器に刺激を与える環境的設定方法として始まったものです。
 スウェーデンでは、1990年代からスヌーズレンが取り入れられ、病院、デイケアセンター、グループホーム、学校、保育所などで広まっています。ここでは、障害児施設での実践をご紹介します。
 左下の写真は光る筒で、暗い部屋で見ていると吸い込まれるような気分になります。真ん中の写真は自転車の車輪に音の鳴る飾りをつけたもので、回すとカラカラ音がします。右下の写真は、電飾がついたホースが壁一面に貼り付けてあり、光がついたり消えたりします。見ているだけで楽しい気分になれます。


 施設には、スヌーズレンを実践するテーマ別の部屋があります。これは「夏の部屋」。海、魚、船などがコンセプトで、夏の香りを運んでくる部屋です。なかには、ブランコのように小船が吊るしてあり、それに乗って遊ぶことができる部屋もありました。いつまでも、小船に乗ってぼんやりしていたい気分になります。


 最も楽しめたのは「アフリカの部屋」。私の大好きな太鼓あり、色々な動物のぬいぐるみあり、木彫りの人形ありと、その部屋にはアフロの風が吹いていました。
 そういえば、シンガポールに行った時もヘビを巻いて写真を撮りましたっけ。まさか、スウェーデンで同じ体験が出来るとは!?
 日本のデパートの「子ども広場」などでよく見かける小さなボールが敷き詰めてあるボールのプールもあり、日本ではできない分、ここぞとばかり遊んでしまいました。

 そして、眠くなったのは「白い部屋」。白い照明に白いウォーターベッド。ベッドにのるとプカプカ浮いているような感覚で、なんとも気持ちよくなります。つい、このまま眠ってしまいたい気分…。
 その他に、タクティール・マッサージ(ソフトタッチなマッサージ)を施す部屋もありました。専任のマッサージ師さんがいます。
 豊かな実践に、ただただ驚き癒される私たちでした。


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