木下大生・藤田孝典著『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』、岩波ブックレット、2015年
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内容
次は、今脂がのっている聖学院大学の木下先生とNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田さんが書いたブックレットのご紹介です。実はご本を謹呈していただいたのですが、それより前に買って読んでいました。
この本のねらいは、「社会にとって大切ではあるけれど、見えにくくその実態がつかまえにくい職業であるソーシャルワーカーがどのような職業であるのか、その像がイメージできるように努めた」(p.4)ことです。私自身が以前から感じていた問題意識と共通する部分があります。
具体的には、藤田さんが関わってきた実践現場の事例を紹介するだけでなく、それを理論的立場から木下先生が整理をしています。特に今、日本で必要とされるソーシャルアクションについて述べている部分は重要だと思いました。これまで、テキストではその説明はされていても、具体的にどのように行えばよいのかがいまひとつわかりにくいソーシャルアクションの詳細について6ページを割いて説明しています。まさに、このような本を出版すること自体もアクションのうちなのでしょうね。
そしてこの本は、全67ページというブックレットなので、オープンキャンパスで来校した高校生や大学1年生等を対象に、紹介したり課題図書にしやすいというメリットがあります。この本が広く読まれることで、社会全体のソーシャルワーカーへの認識も高まるといいなぁ、と思います。
目次
はじめに
I ソーシャルワーカーの仕事① 実践現場の事例から
1 いくつかの事例から
2 ソーシャルワーカーの支援の対象――どのような人々と関わるか
II ソーシャルワーカーの仕事② 理論的立場から
1 生活課題がある人へのソーシャルワーカーの関わり方
2 生活課題がある人へのソーシャルワーカーの視点
3 ソーシャルワーカーの姿勢
4 社会に対する働きかけ
III ソーシャルワーカーの実際
1 ソーシャルワーカーがいる場所
2 ソーシャルワーカーは何をしている?
3 資格と広がる活躍の場
おわりに――ソーシャルワーカーの課題と未来
お薦め本一覧
資料 「ソーシャルワーカーの倫理綱領(抜粋)」