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                              |  ヘンテコなテーマになってしまいました。なぜこのテーマでエッセイを書こうと思ったかというと、このホームページを見てくださる方の検索ワードとして「大学院修了 謝礼」が毎日のように出てきており、それだけ知りたいと思っている人が多いのではないかと思ったからです。そのため、あくまで「物をもらう」ではなく「渡すとき」です。
 大学教員は仕事上、どのような時に他者に物を渡すのでしょうか。いくつかのシチュエーションがあると思います。私が行ったことがあるものは以下のとおりです。
 1.学生や同僚に対してお土産やそれに類したものを渡す
 2.実習先やお世話になったフィールドにお礼を渡す
 3.大学院修了時を含めてお世話になった教員にお礼を渡す
 4.所属先やその他に寄付をする
 
 以下、順に見ていきます。
 1.については、一番頻度が高いといえるでしょう。まず、海外に行った際には必ずお土産を買います。その行先は、事務室と教授会とゼミ生達になります。日本国内でも、買っていくこともあります。
 またお土産ではなく、学生とのコンパでは以前は教員は1万円を出すというのが相場でしたが、今はそれはしなくなりました。学生共々一次会で解散となることが多いため、キッチリ3,000円なら3,000円出せば良くなったからです。ただ、教員が先に失礼する時もあるので、そんな時は「みんなで分けてね」と軽いお菓子を渡して帰ることがあります。
 そして同僚同士では、資料やお菓子の交換等は日常茶飯事にやっています。また、慶弔時にいくらか渡すことも日常的なことです。
 
 2.については、実習先への実習謝礼は大学から支払われるため、教員が負担することはありません。また、新しい実習先開拓のご挨拶には菓子折をもっていきますが、これも大学から費用が出ます。
 ただ、教員の個人的ツテでフィールドで調査・見学・実習・学生の就職の御礼をさせていただく際には、自費で菓子折を持っていきます。その際に気をつけているのは、先方の人数が何人かを把握し、個包装で賞味期限まで間があるお菓子を選びます。私の場合、有名店のラスクを持っていくことが多いです。
 また同時に、調査報告や実習報告の冊子をお渡しするのは言うまでもありません。
 
 3.については、修士課程の時、お世話になった先生の誕生日に絵本を渡した記憶があります。また、修了時にも確か院生全員で何かを渡したはずです。博士号を取得した時には、主査はお菓子を召し上がらない方だったので高級なお茶と論文を、副査4人には菓子折と論文を渡しました。
 もしかすると、お金(や商品券)を渡すという選択肢があるのかもわかりませんが、なんだかそれは相手に失礼な気がします。正規の学費を支払っているうえに、明らかに相手のほうが所得が上で、お渡しできるとしてもほどほどの金額。それよりも、心がこもっている品物のほうが良いように思います。
 また、退職される先生に記念品を贈ることもよくあります。私はこれまで退職するお世話になった先生方に、個人的にプレゼント+手紙を渡していました。
 
 4.については、たまに大学で○周年をする、建物を増築する等の理由で寄付を募ることがあります。そんな時にまとまったお金を支払うことがあります。以前、母校に10万円の寄付をしたら、同窓会報に名前が載ったことがありました。
 プライベートでは、毎月ユニセフ、国境なき医師団、あしなが育英会に寄付をしています。また、それ以外にもスポットで寄付をしています。
 
 こんなふうに、様々な場面で他者に物を渡すことがあります。そのため、けっこう「交際費」が嵩むかもしれません。ただ、他者に物を渡すか渡さないかは任意なので、行う人と行わない人が当然いますし、いて良いと思います。私は比較的財布の紐が緩めであり、ちょっとした物を渡す方が潤滑油になると思っているためやっているのです。
 もちろん、ただ物を渡せば良いということではなく、その前提となる気持ちが大事です。品物には、手紙やカードをつけたりのし紙をつけたりと、こちらの気持ちを表すサインを表すことも大切なのではないでしょうか。
 
 
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