ここでは、スウェーデンの高齢者施設についてご紹介します。 |
その日私たちは、あるナーシングホームに訪問しました。そこは、認知症の利用者の方が生活している場所でした。
左下の広々としたエントランスを通ると、真ん中のリビングにつながっています。利用者の方は、ここでくつろぐのです。右下の写真は食堂で、ちょうど一人の方がお食事中でした。
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人形をもった女性が廊下を歩いていました。まるで自分の赤ちゃんのように、愛しそうに抱っこしています。その人形も、本当の赤ちゃんと同じくらいの重さがあります。抱っこしている利用者さんの表情は、なんとも穏やかでした。
そういえば、アルツハイマーだった私の祖母も、いつも人形を大事に抱っこして、本当の孫だと思って話しかけていましたっけ。今は一緒に天国に旅立った、その子の世話をしてくれていることでしょう。
右側の写真は、ある利用者さんのお部屋で一緒に撮影させてもらったものです。壁には絵が飾ってあり、生花が活けてありました。利用者さんはニコニコして私たちを迎えてくれました。
認知症のため、言葉による会話のキャッチボールは難しいのですが、情緒が安定していることは一目見てわかります。ここでは、利用者さんに合わせて時間がゆっくり流れていました。
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同じナーシングホーム内にあるデイケアの様子です。
左の写真は、仲良し二人がなにやら楽しそうにお話をしていました。暖色系のインテリアとライトに包まれ、暖かい雰囲気が漂っています。
右側は、スウェーデンのゲームです。日本でいえば囲碁のようなものでしょうか。
デイケアでは、各種作業やゲーム、お話など、利用者の方が好きなことをして過ごしていました。
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デイケアでの各種の作業についてみていきます。
左側は、機織りをしている女性です。ランチョンマットや壁掛け等を作ります。
真ん中は、木工細工の器具で、大工道具が所狭しと壁にかかっています。
そして、右側はミシンで、洋服やバックなどの小物制作に使います。その他にも、毛糸の帽子を編んだり刺繍をしたりと、女性の利用者の方が昔から行ってきた作業を引き続き行えるようになっています。
E.エリクソンは、人生にはいくつかのステージがあり、それぞれに直面する発達課題があるとしました。高齢期の課題は「統合 vs 絶望」です。それまでの人生の集大成としての高齢期が過ごせるかどうかが鍵になります。
個々人の生活上の悩みまでは関知できませんでしたが、少なくとも私がナーシングホームで出会った高齢者は、豊かな統合の時期を過ごしているようにみえました。
暖かく、穏やかで、ゆったりした雰囲気に包まれた場所でした。
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