さあ研修〜まずは就学前教育から〜 本文へジャンプ
さあ、ここからは勉強の時間です。まずは就学前教育の現場に行ってみましょう!!


 「長靴下のぴっぴ」はスウェーデンの子どものアイドルです。至るところに顔を出します。就学前の子どもたちの部屋にも、しっかり根付いていました。私が子どもの頃、天衣無縫なぴっぴに憧れたものです。
 そして、ぴっぴのようにスウェーデンの子どもたちも、自由に、奔放に遊んでいました。2回目に一緒に旅行に行った学生はさすが児童文化部でした。彼女はソファに座ったままであっという間に子どもの心をつかみ、見事に子どもをとりこにしました。どんな「魔法」がかかったのかはわかりませんが、私などがいくら必死に子どもと接しようとしても、彼女のように軽やかに接することはできないのです。言葉などではない何かが、確実に子どもの心をつかんだのです。

 りかちゃん人形やバービー人形なら、日本でもなじみがあります。人形遊びが苦手だった幼い私も、少し複雑な気持ちでりかちゃん人形を手にした日がありました。その時の私にとってアフリカ系の、それも車イスに乗っているお人形を手にすることは想像できたでしょうか。
 そう、スウェーデンはいろいろな状況にいる人達が共に暮らす国なのです。「受容」とか「ノーマライゼーション」とか「インテグレーション」とか、今、日本では様々な言葉が飛び交っていますが、本当に大切なのは言葉だけで終わらせないこと、その言葉の意味が生活のなかで広く深く浸透していることなのです。
 その意味で、「彼女」の存在は衝撃的でした。かなり新鮮な驚きと敬意を払って、「彼女」の写真を撮らせてもらいました。

 就学前の子どもたちは、いろいろな物で遊びます。これは、テーブル型の砂場です。透明なテーブルのなかに、砂遊びグッズが揃っています。日本では、「箱庭」という心理テストのキットがありますが、これは純粋な遊びの道具のようです。
 子どもたちが遊んでいなかったので、撮影許可されました。


 就学前の子ども達の遊び場には、いろいろな遊具があります。滑り台もあれば、ブランコもあります。写真はブランコの一種で、学校の天井からつるしてあります。
 そういえば、障害のある子ども達の就学前教育の場を視察したときに、ちょうど大人が立った時の手の位置と同じ高さに子どもが座るブランコの椅子がありました。それは、ブランコに座っている子どもを親が抱きしめることができるよう、親の手の位置と同じになるようにつるしてあるのだそうです。
 あたう限りの愛情を子どもに注ぐスウェーデンの子育ての現実を見て、いたく感動したのでした。


 子どもたちの1日の日課は、絵カードで示されていました。綺麗なカードを一人ずつ作成し、先生と一緒にその日の日課を確認します。その他にも、いたるところで一人一人に即したプログラムが実施されています。壁にはそれぞれの家族の写真が貼ってあり、離れている時間も寂しくありません。
 町で出会う赤ちゃんたちは、皆、天使のようです。親の愛情を沢山受けて、何ひとつ足りないものはないように思えます。実際は違う場合もあることを、残念ながらその後の視察で知るのですが…。
 私たちが訪れた就学前教育の場には、カラフルなおもちゃと大人の愛情が詰まっていました。
 

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