渡部律子著『高齢者援助における相談面接の理論と実際』
医歯薬出版株式会社、1999年
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内容
相談援助を行う際の基本的な姿勢や面接技法から、援助過程の各局面における留意点まで、総合的に述べてあるテキストです。具体的な事例もところどころに取り入れられており、わかりやすく書かれてあります。
とりわけ私が参考になったのは、第3章と第8章です。「第3章 アセスメント」では、アセスメント実践が「面接」「データ分析と統合」「アセスメント報告書作成」という要素から成り立つ局面であることが詳細に書かれてあります。また、アセスメントに必要なクライエントの16項目のデータは、実際の援助場面でも活用可能な項目です。
また、「第8章 専門の援助職者としての向上」の「2 所属している組織の全体的な理解」では、様々な組織を理解するための18の質問項目が興味深いです。対人援助は決してクライエントと援助者間だけで行われるのではなく、それを取り巻く職場(組織)の影響を受けていることが理解できます。
高齢者援助に携わる人のみならず、全ての領域でソーシャルワークを行う人たちにお勧めの1冊です。
目次
1章 援助職者の基礎を形成する視点 〜援助行動のモチベーションと基本的姿勢
2章 援助関係を形成するもの 〜援助すること・されること
3章 アセスメント 〜要援護者がおかれている状況の統合的な理解
4章 相談面接業務の全プロセス
5章 面接における言語技術
6章 相談面接の実際 :インテーク面接の実際
7章 高齢者を対象とする援助職の意味 〜高齢者がクライアントである職場で仕事をすることとは
8章 専門の援助職者としての向上〜燃えつき症候群の予防:自らの仕事の特質を理解し資質を向上させていくために必要な知識の枠組み