『医療ソーシャルワーカーの成長への道のり〜実践能力変容過程に関する質的研究〜』 本文へジャンプ
新刊本のご紹介です。
『医療ソーシャルワーカーの成長への道のり〜実践能力変容過程に関する質的研究〜』保正友子著、相川書房、2013年9月発行、2,600円+税


【内容】

「新人の頃、大学の先生に、他の医療専門職は哺乳類でちゃんと形をもって生まれるのに、医療ソーシャルワーカーは卵で生まれる。今そんな卵で放り出されたら、私たちは皆死んでしまうことがわかったって、切々と語ったのです」。
  

  あるベテラン医療ソーシャルワーカーは、新人期に辛い思いをした経験を卵にたとえて話してくれた。それでは、どうすれば卵から孵化するのか、どうすればつぶされずにすむのか、その方策は卵のなかにいる人にはわからない。
  しかしながら、いつくもの試練や試行錯誤を繰り返しながら育ってきた人なら、自分が通った道のりを振り返り、明らかにすることができるだろう。もしかすると、何人かに共通する道のりがあるかもしれない。それが、この研究に取り組んだ動機である。
 本書は、医療ソーシャルワーカーが新人期・中堅期・ベテラン期を経るにつれて、どのように実践能力を変容させて成長していくのか、その成長に影響を及ぼすものは何かを質的研究により明らかにした試みである。


 
【目次】

 はじめに

 初出一覧

 第1章 研究の理論的枠組み
  第1節 使用する概念の定義
  第2節 ソーシャルワーカーの実践能力に関する先行研究
  第3節 研究のリサーチクエスチョン

 第2章 研究方法
  第1節 研究対象
  第2節 データ収集方法
  第3節 データ分析方法
  第4節 研究方法の長所と短所

 第3章 事例にみる医療ソーシャルワーカーの実践能力変容過程
  第1節 各人の実践能力変容過程とその特徴
  第2節 新人期・中堅期・ベテラン期にかけての変化
  第3節 変容促進契機の整理

 第4章 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づく分析結果と考察
  第1節 医療ソーシャルワーカーの各能力の変容および能力間の関連性を表すストーリーライン
  第2節 介入の安定化
  第3節 業務展開基盤の形成
  第4節 専門的自己の生成
  第5節 実践能力見直し作業
  第6節 院内外からの要請への対応

 第5章 結論
  第1節 実践能力の関連性はどのようなものか
  第2節 実践能力変容過程とはどのようなものか
  第3節 実践能力の変容促進契機とはどのようなものか
  第4節 実践能力変容の節目と影響を及ぼす変容促進契機

 引用文献リスト

 おわりに

 索引




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