塩村公子著『ソーシャルワーク・スーパービジョンの諸相〜重層的な理解〜』、中央法規、2000年
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内容
この本はサブタイトル通り、ソーシャルワーク・スーパービジョンの概観をつかみ、重層的な理解を促すにはとても効果的です。スーパービジョンの理論、実践上の留意点、事例にわたるまで総合的に展開されているためです。
とりわけ参考になったのは、「V章 スーパービジョンの実践」の「第1節 スーパービジョンの構造」にある「表2 スーパービジョンをはじめる前に確認すべきこと」(94ページ)で、実際にスーパービジョンを行うに際しての細かいポイントがわかり、スーパーバイザーとしての心構えをつくる上で役立ちます。また、「第8章 事例検討会」の「表3 事例検討会の記録」(128〜129ページ)は、そのまま記録様式として活用できそうです。私自身にとって役立ちそうなのは、「W章 スーパービジョンの事例」の「第2節 スーパービジョン研修」です。研修の進め方が載っているため、今後参考にさせていただこうと思っています。
この本はアマゾンで中古購入したのですが、本来2,800円の定価のところ7,000円余を費やしましたが、それでも購入して良かったと思える1冊でした。
目次
T章 日本におけるスーパービジョン
第1節 ソーシャルワーク現場におけるスーパービジョンの現状
第2節 スーパービジョンの日本への導入
第3節 近接領域におけるスーパービジョン)
U章 スーパービジョンの理論動向
第1節 スーパービジョン理論の歴史的変遷
第2節 スーパービジョン理論の到達点
V章 スーパービジョンの実践
第1節 スーパービジョンの構造
第2節 スーパービジョンの形態
第3節 スーパービジョンが扱う内容
第4節 スーパービジョンのプロセス
第5節 スーパービジョンの技法
第6節 スーパーバイザーとして
第7節 スーパーバイジーとして
第8節 事例検討会(事例を中心としたスーパービジョン)
第9章 ピアスーパービジョン
W章 スーパービジョンの事例
第1節 さまざまなスーパービジョン体験
第2節 スーパービジョン研修
第3節 ピアスーパービジョンの試み
第4節 スーパービジョンの課題